2019年5月21日 | 心と潜在意識 |
親や周囲の人間の期待に応えるために作り上げた偽物の自分のことを、擬似自己といいます。
この擬似自己で生きている人は、自分の欲求や気持ちを断線してしまっているため、本来の自己を見失っています。
では抑えられ、見失われてしまった自己と再びつながるには、どのようにすればいいのでしょうか。
「自分はなにを喜びとしているのかを見る能力を取り戻すことが、踏みにじられている自己を再発見する最善の方法である」
つまり、自分の心が何に喜びを感じているのかに気づく感性を取り戻そうということ。
あなたも一度、時間を確保して、
「自分の心が喜ぶのはどんなときか?」
「自分は何にワクワクするか?」
「好きなことは何か?」
「どんなものに惹かれるか?」
「何をやっているときに楽しいと感じるか?」
「どのような場面で幸せを感じるか?」
などのといを自分に投げかけ、じっくりと考えてみてはどうでしょうか。
すぐに答えが見つからなくても大丈夫です。
こういった問いを自分に投げかけることで、自分の中の喜びに気づくセンサーが育ち始めるのです。
子どものころの自分を思い出してみることも役に立ちます。
「子どものころ熱中したことは何か?」
「何が好きだったか?」
「どんなことをしているときが楽しかったか?」
「どんな遊びをよくしたか?」
などについて思い出してみることが、自分が何に喜びを感じるのかを探るヒントになるのです。
喜びを感じることや好きなことが見つかったら(もちろんそれが他人に迷惑をかけるものではないというのが前提)
ぜひそれをどんどんやってみてください。
かりにそれが子供じみたものであっても、また、何の社会的価値を生み出さないものであっても、あなたの心が喜びを感じるということ自体に大きな価値があると思います。
「自分だけ楽しんではいけません」
「好きなことばかりしていてはいけません」
「満足してはだめ、もっと頑張りなさい」
といったメッセージを子供のころからたくさん受けて育った人の中には、ものごとを気ままに楽しんだり、自分の好きなことに時間を費やしたりすることに罪悪感を感じてしまう人もいます。
その場合は、
「自分の好きなことを楽しんでいいよ」
という許可のメッセージを繰り返し自分に与えてあげるといいでしょう。
また、どんなに時間をかけて探しても、喜びを感じることや好きなことが見つからないという人は、自分の嫌だというメッセージを尊重してもらえずに育ってきたケース、あるいは、嫌なことに対して「ノー」と言えずに育ってきたケースが多いと思います。
人は嫌なことに対して「ノー」を言うことで、自分にとって受け入れられるものと受けいられないものの間に境界線を引くとともに、自分と相手の間にも境界線を引き、心の中に安心できるスペースを創り出します。
このとき、しっかりした境界線を引けるほど、その内側のスペースは安全度の高い、より安心できるスペースになります。
この安全なスペースこそが、喜びが育つ場所なのです。
まず、
「日頃から我慢していることはないだろうか?」
「無理をして相手に合わせていることはないだろうか?」
「できれば断りたいと思うことはないだろうか?」
などについて自分に問いかけたうえで、
「ここまでは許容するが、これを超えた場合はノーを言う」
という自分なりの基準を定めます。
そして、その基準を守るための具体的なルールを決めるのです。
特に最初は、そのルールを守ることが難しいものにならないように、ハードルを低めに設定することがポイントです。
自分にとって無理がないよく、今の自分に一番しっくりくるようなルールを考えてください。
1、メールアドレスや携帯電話の番号は親しい人にしか教えない。
2、気乗りしないお誘いに対しては、その場で返事をせず、後でメールで断る。
3、気乗りしないお誘いに対しては、その場ですぐに断る。
4、お断りするときは、特に理由を並べ立てず、「気乗りしないのです」と正直な気持ちを伝える。
5、理由を並べ立ててもいいから、とにかく断る。
6、◯◯さんからの頼みごとは引き受けない。
7、◯◯さんからのメールには返事をしない。
8、夜22時以降は電話に出ないようにし、そのことを友達に伝える。
9、自分の部屋に家族を入らせない。
以上は参考例ですが、ぜひ、あなたにぴったりのルールを考えてください。