2019年8月9日 | 心と潜在意識 |
世の中では、
「自分が弱いから、他人に感謝する」
と考えられていますが、人間心理の深層においては、逆です。
人間、自分が本当に強くないと感謝ができない。
一定の年齢に達すると世知として「人に感謝する」ことを覚えます。
他人からの好意に対して「有難うございます」と述べることは社会の常識でもあります。
そのため、誰もが、形の上で「感謝」をすることはできるのです。
しかし、ここで深く見つめておくべきは、感謝をするときの、我々の内心の動き、感謝をすることによって、自分が弱い存在であるように感じる心の動きがあるのです。
だから、我々は、心が本当に強くないと、心の底から感謝ができない。
逆に本当に心が強いと、上司が、自分を支えてくれる部下に心の中で感謝する。
親が、自分の子どもに心の奥深くで感謝するということが、できるようになるのです。
人間、自分に本当の自信がないと、謙虚になれない。
人間、自分が本当に強くないと、感謝ができない。
その二つが真実であるならば、では、どうすればその「自信」と「強さ」を身につけることができるのか?
この問いに対しては、次の二つの答えが王道だと思います。
「人生において成功体験を積むこと」
「人生において困難に鍛えられる体験を積むこと」
しかし、実は不思議なことに、素朴な日々に行を続けることによっても、
「静かな自信」
と
「静かな強さ」
が身についていくのです。
なぜなら、この二つの真実は、その逆も真実だからです。
日常において、謙虚な姿勢を大切にして歩む時、静かな自信が生まれてくる。
日常において、感謝の姿勢を大切にして歩む時、静かな強さが身についてくる。
ただし、ここでいう「謙虚な姿勢」「感謝の姿勢」とは、単に謙虚や感謝を装った表面的な姿勢ではなく、心を込めたものでなければならないのです。
それゆえ、この「素朴な日々の行」とは、ある意味、「最も厳しい行」でもあるのです。
困難をゲーム化してとらえられる人はストレスが相対的に少なく、
「トラブルは常にある。こういうものなんだ。」
と考えることができます。
それがもっと発展すると、
「トラブルが来たからには、これはチャンスだ」
「このトラブルを解決したら、ほかの人にはないノウハウが得られる」
と考え、お金を払ってでもクレームを集めるようになります。
トラブルから学ぶわけです。
「いままでの考えでいいのだろうか」
と自問自答する姿勢をまずつくってもらい、固定観念が崩れる楽しみを一度味わう。
「柔軟に変容できることが自分の基本なんだ」
というアイデンティティを持つと、固定化していないので、状況変化に強くなる。
学ぶ人間は状況変化に強く、ストレスが少なくなっていきます。
自分の気持ちをどのくらい大切にできるかということは、豊かな人間関係を築いていくうえでも鍵を握ります。
豊かな人間関係を築いていくためには、相手の気持ちを尊重することが必要になってきますが、人は自分のことを大切にできるようになってはじめて、相手のことを無理なく自然に尊重できるようになるのです。